小型カメラの暗視補正と赤外線は何が違う?
小型カメラの中でも需要の高い、暗視補正と赤外線の違いについてご説明します。
どちらも暗い場所でも撮影できる小型カメラとして認知されていますが、実際はどのような違いがあるのかを比較してみます。
また、赤外線暗視カメラでは、どちらの機能も同時に搭載した隠しカメラもあります。
暗視補正
暗視補正カメラについてです。
暗視補正とは、「暗視」なので暗い場所を「補正」して調節する機能です。
人間には少ない光でも、機械が光量を調整して明るく補正して撮影できるといった機能です。
どんなシチュエーションで利用するのかと言うと、豆電球の明かりしかない撮影環境などに適しています。
他にも、暗視補正カメラが活躍できるのは例えば以下のシチュエーションですね。
- バースデーケーキのろうそくの火を消す前の我が子の表情を撮影したい!
- 薄暗い夜道で防犯対策として!
- どんより曇った日でも明るく撮影したい!
- 北向きの部屋で光量が足らない!
暗視補正機能では不十分なケース
「街灯のない夜の道」や、「月明かり程度しか確保できない場所」では、小型カメラの暗視補正機能だけでは不十分になってしまいます。
これは暗視補正の機能が、小さな光量を増幅させる仕組みなので、元となる光量が少なすぎるのが原因です。
もちろん多少は明るく写せるだけの補正がかかりますが、被写体を認識するレベルまでを考慮すると、暗視補正だけでは物足りないでしょう。
最低被写体照度に注意
暗視補正をより高画質で撮影する為にも必要な知識が、明るさを表す単位であるLux(ルクス)を意識しなければいけません。
照度(ルクス) | 撮影環境 | |
100,000Lux | 晴天の昼の太陽光 | |
32,000Lux | 曇りの昼の太陽光 | |
500Lux | 蛍光灯の室内 | |
100Lux | 夜の街灯 | |
10Lux | ろうそくの火から30cm | |
0.5Lux | 月明かりのみの野外 |
例えば、最低被写体照度が0.3Luxの小型カメラの場合なら、月明かりの0.5Luxあれば十分に撮影可能だという事です。
また、最低被写体照度が1Luxの小型カメラの場合だと、月明かりのみでの撮影は難しいという事になります。
暗視補正機能が付いた小型カメラを選ぶ時には、「最低被写体照度」に注目してみて下さい。
赤外線
赤外線カメラについてです。
人間の目には見えない光で照らして暗闇を撮影してしまう隠しカメラの中でも人気のある機能です。
真っ暗闇でも撮影できてしまいますので、暗視補正と似ていますが、まったく違った技術と機能になっています。
必要な照度をあえて数値化するならば、0.0Luxという事になります。
これは、テレビ番組などでおばけ屋敷の撮影などで利用されているシーンでおわかりになるかと思います。
赤外線の照射距離に注意
赤外線カメラは、小型カメラ自体から光を照射しているので、その光が届く範囲までしか撮影できないという事です。
超小型カメラの場合だと搭載できる赤外線も小さくなるので、照射距離は1m~3m程度の物がほとんどです。
ただし、暗視スコープカメラには照射距離が300mを越えるスコープ型もあります。
小型カメラの赤外線には可視と不可視がある
赤外線にも種類があって可視タイプと不可視タイプが存在します。
可視タイプの赤外線カメラの場合は、赤外線を照射すると人の目でもわかる程度ですが光を目視できます。
不可視タイプの場合は、まったく人の目では見えません。
ただし、可視タイプの赤外線カメラの方がやや強力なメリットもありますので、照射距離と合わせて検討項目に加えるべき重要なポイントと言えます。
赤外線カメラはモノクロ撮影
赤外線カメラは真っ暗闇を高画質撮影できるメリットの一方で、色の再現に弱い一面をもっています。
先程の例でもありましたが、テレビ番組等でおばけ屋敷を撮影している映像には色が付いていません。
その半面、暗視補正カメラの場合には色の表現が可能になっています。
暗視補正が適している撮影環境
- 被写体までの距離がある
- 被写体の色味を表現したい
- 撮影場所に多少の光量が見込める
赤外線が適している撮影環境
- 真っ暗闇で光量がゼロに等しい
- 赤外線LED照射距離内に被写体がある
赤外線暗視カメラには、両方の機能を搭載している小型カメラもありますので、撮影環境に適した一台をお選び頂けます。
機能は似ていても技術が異なるので、シーンや場所によって使い分けて下さい!